Why not feeding that, as they want? Think about animal welfare!! (Proposal for the carcass feeding)
「屠体給餌 (とたいきゅうじ) 」という取組みをご存知でしょうか?害獣として捕獲・駆除されたイノシシやニホンジカを、感染症対策のための低温殺菌処置等の最低限加工のみ施して、飼育している動物園のライオン等に「丸ごと」餌として与えてみる、というものです。
https://www.google.co.jp/amp/s/omutazoo.exblog.jp/amp/29547122/
欧米等では一般的なものですが、日本では 2017 年に福岡県大牟田市で初の取り組みが始まり、いまは京都や盛岡、熊本、そして桐生市の親善都市でもある、日立市等でも試みが始まっています。
動物園の飼育環境を豊かにする「環境エンリッチメント大賞」にも輝いたこの取組みの最大の魅力は、本来の動物生態の姿を目にして研究・学習が図れること、動物園の肉食獣にとっては自らの牙で獲物の皮を剥ぎ、骨をしゃぶったり噛み砕いたりして実際の生息環境に近い形で味わえること。難消化性の骨には整腸作用もあるとのことで、体調を良くする効果も確認されています。
現在、桐生が岡動物園で与えられている餌は主にニワトリ肉や馬肉等の塊です。栄養上の問題はないものと思われますが、これでは本来の「食べる」という行動は発現しません。栄養は満たすことができても、行動は満たせない。心理的にも、身体的にも幸福な状況とは言えないでしょう。
「残酷だ!」とする見学者の反応が懸念事項として考えられます。ですが本来の野生動物が食べている餌の話や、広がる獣害と捕獲・駆除された個体が現在、何ら活用されることなく焼却処分となっていることなどを説明差し上げれば、それらの課題解決のひとつの方法として肯定的に受け入れて頂けることでしょう。実際、他の動物園では「屠体給餌」に向けた募金活動にまで発展しているそうです。
飼育環境を良くするだけでなくテーマ性を持たせることで、見学者にとっても人間社会に害を与える獣害問題を考えるきっかけとなる取組みです。それを積極的に推進する「ワイルド・ミート・ズー」という団体も結成されています。
実際には手間暇が非常にかかり、経費も3倍近くにかさむ上、伝染病等の防疫上の問題等、慎重な検討を要することは言うまでもありません。ですが、動物福祉 (アニマルウェルフェア) の観点に立ち、何より桐生にいるライオンたちの喜ぶ姿を目にしてみたい!… わたしはそのように願っています。