Day1 tour of inspection for the important preservation district of historic buildings at “Unnojyuku”. Appropriate balance between "daily local life" and "tourism resources' opportunities" needs to be studied deeply.
「重伝建 」... 重要伝統的建造物群保存地区。全国43道府県104市町村126地区にて指定がされ、日本の原風景とも言えるこれらの古き良き街並みは、多くの人々を魅了してやみません。日本遺産「かかあ天下 -ぐんまの絹物語- 」の構成文化財の1つであるわたし達の「桐生新町」も、そんな重伝建のひとつです。
https://www.bunka.go.jp/seisaku/bunkazai/shokai/hozonchiku/judenken_ichiran.html
ですが…。そこに暮らす人々の日常に潜む課題や懸念事項は山積み。伝統的家屋ゆえの保存の難しさ、日常生活での不便、維持管理に係る経費の捻出等、固有の様々な事象が現在・次世代までの課題となっていることは、決して看過することができません。安易な観光資源化などはもってのほか。地域の深刻な不協和音にも繋がりかねません。仮にもし、地域活性化のための観光振興リソースとして活用指向していくのであれば、まずは観光者や観光業者が経済的な利益を生むだけではなく、新たなコミュニティ創出などへの良い影響を与えうるという、地域が享受できるメリットが正しく周知され、広く受け止められていなければなりません。そして何より、その地を愛してやまない「意識の改革」が必要なことは言うまでもありません。
ここは長野県東御市にある重伝建のひとつ「海野宿」。江戸時代から明治、大正、昭和初期に至るまでの、長い年月の間に建築されたもので、それらが時代ごとの特徴を持ちながらも、海野特有の伝統的形式を重んじた造りとなっており、江戸時代の旅籠屋、庄屋住宅、長屋などが往時の姿をそのままに現存されていました。… そしてそこでは同じくいま、日々老朽化していく建造物の維持にあたり、おおきな負担や困難を伴う経済的・間接的な厳しい現実に直面している住民の方々がおり、次世代への保存活動そのものの存続継承すら危ぶまれている、そんな懸念・不安の想いの渦巻く、困難な課題が多く垣間見られました。… 視点を転ずるだけで物の見方は大きく変わりますね。重伝建のあり方について、わたし達がなさねばならないことは未だ雲の中。朽ち果てさせてしまう前に、しっかりとした論議と早急なアクションが必要であることを改めて思いました。(2021/11/1(月) 行政視察にて訪問)
